実力が上がったことを感じられる瞬間
家庭用が発売してからも、自分で自分の対戦動画を見ながらコンボ練習をしていた時期。
スガイで上位プレイヤーになるため、ひたすらゲーセン通いをしていました。
そんなある日、1人の女性プレイヤーとエンカウントしました。
対戦格闘ゲームというのは男性の方が母数の大きいジャンルであることは明白であったと思います。ブレイブルーはビジュアルも含め性別関係なく人気なんだなーと思いながら、動きは明らかに初心者ではなさそうだったので1クレ投入。
使っていたキャラはジン。
ジン戦は好きだし得意だと思っていたので、「今日も連勝しちまうか~~~」くらいの気持ちで対戦。
が、ゼクスはかつてない衝撃を受ける。
当時のゼクスにとってガー不(ガード不能。こんなんガード無理やろっていう意味)の連携だと思っていた2A>6Bが必ずガードされる。
今思えばめちゃ恥ずかしい話ですが、お察し下さい。
「そんな馬鹿なはずは……」と言っている間に敗北。
何度も対戦を仕掛けてみるも、敗北。
結局勝てずに、お時間が来たので去っていってしまった。
その相手とは、マキシムでかつて毎月開催されていた女性限定イベントに参加されていた方であれば皆さんがご存知のあさひさんである。
”特定の連携は人によって簡単にガードできてしまう”という、簡単に思えて実は攻めと守りにおける重要なポイントを教えてくれたプレイヤーの1人と言っても過言ではありません。
今でも明白に対戦した内容を覚えているくらいには衝撃でした。
さて、あさひさんとの対戦からまた数日が経ち、いつものスガイで別のジン使いの方と対戦。
その方は、GAME41で優勝をするレベルのプレイヤー。
ギルティではカイ使いのミウさん。
この時の対戦もまた忘れられないものとなっている。
対戦格闘ゲームというのは大会において2ラウンド先取が主流ですが、普段の対戦である野試合と呼ばれる設定においては、3ラウンド先取に設定しているゲームセンターも少なからずありました。
対戦する時間が長くなれば長くなるほど実力差が出やすくなるものですが、この時のゼクスラグナはミウジンに対して最終ラウンドまで進み、尚且最後ギリギリまで体力を減らしバーストまで吐かせることに成功した。
後少しのところで敗北したが、ここまで気持ちいい敗北というのは中々なかった。
GAME41で優勝するレベルのプレイヤーにここまで食らいつくことができたという功績が、自分にとって非常に嬉しかったんです。
おそらく、現在CF2をやっている若手プレイヤーも、上位プレイヤーを追い詰めるとそれだけ嬉しい瞬間というのは訪れるでしょう。
その喜びは、ゼクスも通った道。
いやー、そんな時期もありましたねー(遠い目)。
ただ、ギリギリまで追い詰めたからといって同じような試合内容になるわけがなく、”勝つ”という結果に至ることはその日一度もありませんでした。
これが”実力差”なのだ。一度勝てそう・勝ったからと言って本当に『相手に勝った』ということにはならないんだな……という教訓と嬉しさの間を噛み締めつつゲームセンターを離れバイトへ……。
ゲームセンターでの対戦で経験を得つつ、家庭用での対戦を反復している中、1人のラグナ使いを家庭用でみかけます。
今でも可能ですが、ランクマの対戦動画リプレイを見漁っていた時のことでした。明らかに他のラグナと違う動きをするラグナを見つけ、度肝を抜かれました。
それは、今まで自分が使ってこなかったラグナのゲージ必殺技である『ブラッドカイン』を使い、体力を根こそぎ奪った上で相手のバーストまで封じるという恐ろしい対戦内容。
今でも対戦内容思い出せるくらいには明確に覚えています。
然程実力も無い頃だったので、雷に打たれたような衝撃は後にも先にも中々無い体験でした。
ランクマでのリプレイ、ということから「いつかこのラグナと対戦してみたい……!」という途方もない探し方。
今みたいにロビーがあるわけでも配信されているわけでもなかったので、ただひたすら、ランクマをやるという行為でエンカウントするしかありませんでした。
エンカウントするため一生ランクマを回し続ける日々。
そしていよいよ、かのラグナと出会い対戦できる日がやってきました。
対戦内容としては、ゼクスラグナがガンガン攻めるけれど、お相手のラグナは淡々とガードを続け、ゲージが貯まるとブラッドカインのコンボできっちりと倒してくる。
戦績としては呆気なく負けましたが、それ以上に得たものが大きいので負けは気にせず次のアクションへ。ゼクスはすかさずPSNのメッセージを送ったのです。
フレンド登録を知らない人に送ったのは、これが初めて。
「どうやったらラグナで強くなれますか!?教えてください師匠!!」
前後の文章は省き、かつ誇張表現で書くとこのようなことをメッセで送っていた。
放送とかでもないのに、初見で対戦した人に対ありでした、の文章以外にいきなり弟子入り連絡。
よく考えずとも中々な行動だったとは思いましたが、そこは笑って大人の対応を取ってくれた、というような感じでした。
互いにラグナの良さと難しさをメッセージでやり取りしているうちに、憧れだったラグナ使いは”師匠”となった。(明確に師弟関係だった、というよりは勝手に着いていったという言葉が適切でしょう)
ほとんど一方的でしたが、特にそれについて否定されたことはありませんでした。
現在において師匠はブレイブルーをやっていない(おそらく)ですが、ゼクスにとっても、鳴海にとっても、師匠は師匠のままです。
師匠との出会いによって、ブレイブルーを始めおよそ半年程でGAME41大会の準優勝を飾ることができました。
本当に感謝してもしきれないですね。
でもまぁ、とんとん拍子でキレイに物語が進むことはなく、次の壁が立ちはだかります。
キャラ差というのをが身に染みる
師匠と出会ったお陰で実力が鰻登りになったのは良かったんですが、ここで新たな壁に激突してしまいます。
皆さんはキャラクター差がゲームにあることはもちろんご存知のことでしょう。
これから対戦格闘ゲームを始めます!という方が読んでいる場合は是非覚えておいていただければと思います。
キャラクター別に相性と強さのレベルは確実にあり、その状況を理解しつつ対戦していくことが対戦格闘ゲームではマストな要素です。
一作目のブレイブルーでは上位3キャラがν-13、レイチェル、アラクネでした。
逆に下位キャラはテイガー(ダントツで弱キャラ)、ラグナ、バング、ハクメンあたりで、主人公は残念ながら下から数えた方が早いというね。ラグナよ、なんと不甲斐ない。
ただでさえインファイターはνに厳しいというのに、ラグナ自身の能力値も低めなので、辛くなるのは当然のことでした。
さて、ここで登場するのが大学時代の友人でもあり今でも交友関係のあるクロルという者。
彼とは家庭用オフ対戦を行うこともしばしばあり、カプコン系の対戦格闘ゲームやギルティを勧めたのはゼクス(ギルティの名前を出すとこのプレイヤーネームめっちゃややこしい)からでした。
クロルは初期に使っていたキャラクターはジンでしたが(※ギルティではカイだから、やっぱりジンになる。そのままにしておけばよかったものの……)、途中からνにキャラ変更。
自信満々のゼクスラグナを3ラウンド先取で2時間も倒し続けた。一度たりとも勝てず。
2時間も。
格上相手のプレイヤーには日常茶飯事であっても、ブレイブルーを始めた同期のプレイヤーかつそんなに実力が離れていなかったはずの相手に、これ程まで勝てなかったというのは非常に衝撃であった。
しかしこれは、今後続いていく鳴海ブレイブルー史において、非常に重要なフェーズであったとも言える。
と言いつつ、負けるたびに怒り心頭。ぶっちゃけあまりにも理不尽な強さにマジで怒ってました。
絶対にコイツ許さん!!!!!!!!!!!
ここで素体アレルギーを発症し、今日に至るまでずっと続いているという悲しき事実。
でも、この時の経験は明らかに役立っておりますのでそういう意味では感謝です。
そんなこんなでCT編はこれにて終了。
ゼクスがブレイブルーを初めてから九ヶ月後の2009年11月。
ついに、新たなバージョンが稼働することに。
次回、CS稼働編へ。